「トリック」

７月７日（金）スタート
毎週金曜日　23:09〜24:04(全10回)

登場人物

山田菜緒子　仲間由紀恵

この物語の主人公。
彼女の父はかつて有名な奇術師だったが、彼女が幼い頃、危険な脱出トリックを試みて命を落とした（と聞かされていた）。
その父に憧れ彼女も奇術師を目指すが、なかなかおいしい仕事にはめぐられない。
意地っ張りで負けず嫌いな性格が災いし、ひょんなことからさまざまな霊能力者、呪術師、超能力者と闘うことになる。

　

上田次郎　阿部寛

周囲から将来を嘱望されている若手物理学者。
世界で一番頭がいいのは自分と考えており、どんな不思議な現象も自分の手で解き明かすことができると考えている。
この学者特有の頭の硬さゆえ単純に霊能力者たちに騙され、奈緒子との不思議な謎解きコンビを組むようになる。

　

山田里見　野際陽子

奈緒子の母。地方に住み、夫亡きあと自宅で書道教室を開いている。
離れていても奈緒子とは心が通じあっている気配。
奇術師をめざして東京に出た奈緒子の身を案じる優しい母なのだが、物語が進行するに連れ、ドラマ全体を貫く謎の鍵を握る存在であることが判明してくる。
奈緒子の父の、死の真相は？

あらすじ
一人の男が警察に助けを求めてきた。
「私は呪い殺される!」 男は不思議な能力を持つ女性教祖を祭り上げた新興宗教もどきの集団から逃げ出してきたという。
だが昨晩男の目の前に空中浮遊する教祖が現われ、「戻らなければお前は死ぬ」と言い残し消えた…。
今までにも逃げ出した信者は不思議な死に方をしている。
このままでは自分も…。この手の話を全く信用しない警視庁の掲示、矢部謙三(生瀬勝久）は、部下に命じてその男を追い返した…。
山田奈緒子（仲間由紀恵）は、母の里見（野際陽子）の反対を押し切って上京、東京のボロアパートで一人暮らしをしながら偉大だった父のような奇術師を目指している。とある見世物小屋でのマジックが唯一の収入源という、まだまだ売れない奇術師だ。
そんなある日、奈緒子はクビになる。
才能があるが、話術や個性がないと言われ落ち込む奈緒子。
支配人は後ろめたさからか、雑誌に掲載されている記事を見せる。
それは上田次郎（阿部寛）という若手物理学者から、霊能者たちへの挑戦状だった。
「私の目の前で、あなたが超能力者であると証明できたら賞金を支払います」
「私は超能力者です」と言って上田の前で手品を見せたら生活費の足しになると支配人は言う。
家賃はもう２ヶ月分溜まって催促を受けている状態だ…。
奈緒子は上田の研究室を訪ねた。
すでに何人かの挑戦者が待っていた。
空中浮遊と称して単に飛び跳ねているだけの者、「前世が見える」というものなどさまざまだ。
順番になり奈緒子が入っていく。
自信に満ち、いかにも鼻持ちならない雰囲気の上田が、疑い深い目で奈緒子の一挙手一投足を見つめる。
たちまち彼女は嫌悪感を覚えた。
「たやすく私を騙せると思ったら大間違いですよ。やめるなら今がチャンスです」 上田の言葉にムッとした奈緒子は、封筒と１００円玉を要求した。
１００円玉に印をつけさせ、封筒に入れる。
確かに入っていることを確認させ、封筒を糊で封印させた。
封筒に向かってわけのわからない呪文を唱える奈緒子。
封筒の表面をさっとなでると、奈緒子の手の中には印のついて１００円玉があった…。
「少し調べたいことがある…」と言って別室へ消えた上田。
やはりバレた？ところが上田は小切手を持って帰ってきた。
思わず小切手に手を伸ばす奈緒子。 上田は小切手を引っ込めた。
「実は本当のテストはこれからだ。これは君がそれにパスしたら渡す」と言う上田。

企画意図

超常的に見えるどんな現象も、すべて奇術のトリックで再現できる。 （ 〜Ｈ・フーディーニ〜 ）

1992年、あるアメリカの科学雑誌が「厳正な審査の元で正真正銘の心理現象を見せてくれた霊媒師に賞金を払う」と公表しました。
この呼びかけに応じて全米から多数の霊媒師が集合。
審査員は、ノーベル賞受賞学者を含む多数の科学者が加わりましたが、彼らは自称「霊能力者」たちの引き起こす不思議な現象の裏に隠されたトリックを見破ることはできませんでした。
それをいとも簡単に見抜いたのは、審査に加わっていたフーディーニという奇術師だけ…。
今回のドラマ「トリック」はこのエピソードをモチーフに、 時代性と娯楽性をふんだんに盛り込みながら物語を展開していきます。
フーディーニの役割を担うのは、ある一人の売れない女性奇術師。
彼女はどんな不可思議な現象も、奇術で再現できると信じています。
そして、自分では世界一頭がいいと思っているけれどいつも騙されてしまう物理学者とひょんなことからコンビを組み、さまざまな霊能力者、自称宗教家たちに戦いを挑む羽目になるのです。


刺激性と知性興奮たっぷりの新感覚ミステリー

主人公は、毎回多くの霊的現象にぶつかります。
様々な"霊能力者"たちが登場、遠隔透視、未来予知、空中浮遊といった現象を引き起こします。
彼らは、主人公たちが自分のインチキを暴こうとしているのを知ると、さまざまな攻撃を仕掛けてきます。
数々の超常現象が果たして本物なのかインチキなのか。
インチキであるとすればどのようなトリックが隠されているのか。
毎回霊能力や不可思議な現象の謎解きが展開され、それがストーリー上の柱になります。
この展開により、多くの視聴者に物語への興味と知的興奮、爽快感をもたらすことになるでしょう。
その一方で、解き明かしても解き明かしても残る謎…。
もしかしたら自分が相手にしているのは、本当に人を呪い殺すことのできる人間かも、と思う瞬間の恐怖も描いていきます。
「トリック」は、「刺激性」や「体感性」だけでなく、超常現象の謎を解き明かす要素も盛り込んだ、知的興奮と爽快感もたっぷりな新感覚ミステリーなのです。


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