本間貴雄(阿部寛)は、大手印刷会社に勤めるサラリーマン。
家庭には妻と一人娘がいて、傍目には平凡だが幸せな家庭を築いていた。
だが、本間の心の奥には、退屈な日常から逃れたい、何か刺激的なことに出会いたいという欲望が蠢いていた。
本間は、インターネットカフェで"本間たかお"という偽名を使い、出会い系サイトに登録していた。
何人もの女性がアクセスしてきている。だが、相手は明らかに金目当ての人妻や、援助交際目的の女学生で、本間が思う"夢みたいな恋愛"の対象になるような女性はいない。
そんな中、「ウィーンの森で、私とワルツを踊ってくれる人、いませんか?」という変わったメールが入り、興味を覚えた本間はその相手にアクセスする。
そしてその日から、リカ(浅野ゆう子)と名乗るその女性との、メールのやりとりが始まった。
メール上の他愛無い会話が続くうち、リカの生の声が聞きたくなった本間は、彼女に自分の携帯電話の番号を教えた。
それが自分を破滅に導く行為だとは夢にも思わず。。。
さっそくリカから電話が入った。本間は、彼女がナースだということを知ったが、携帯の番号は教えてもらえない。
数日後、二人はデートの約束を交わす。 そして初めて会った二人。
ところが、本間は急な仕事がはいり、リカを置き去りにして仕事に向かってしまう。
翌日、本間の携帯がなり、リカからなぜ途中で消えたのかと詰問され、罵声を浴びせられる。
それは、本間がそれまで思い描いていたリカとは、全く違う態度だった。
本間は、必死に弁明を試みるが、リカはますます猛り狂って手がつけられない。
携帯を切っても、留守電に何本もリカのメッセージが入って来る。
翌日も、その翌日も、本間はリカの電話に悩まされる。
取引先から、本間の携帯はいつも話中でつながらないという苦情もあり、本間は携帯を破棄し、新しく買い換えた。
これで、リカという女から逃げられたという安堵の思いでいっぱいだった。
数日後、本間はインターネット上で、リカが”本間たかお”という人物を探し回っていると言うことを知る。
リカのメッセージによると、本間なる人物はリカの体を弄んだ挙句、姿を消してしまったとある。
なぜ、リカはウソをついてまで本間を執拗に探しまわるのか、本間は途方にくれるが。。。