2年ほどアメリカで研究の後、このたび帰国。 居酒屋で賢三(岸谷吾朗)と知り合い、次第に意気投合していく。 真面目でやさしくて穏やか。 高収入、高学歴、高身長のいわゆる「三高」で人柄も良く、結婚相手としては申し分ない。 以前つき合っていた彼女とわかれてから、新しい出会いのチャンスもなくすごしてきた。が、最近、過去の傷もやっと癒えてきて、パートナーがほしいと思うようになってきたところである。 センチュリーブライダルに入会して、葉月(財前直見)のことを気に入り、賢三にお見合いをセッティングするように頼むが…

人間の人生は、ある人と出会う事で大きく変わる事があります。 たとえ、どんなにダメな男でもある出会いによって変わっていくこともあります。
しかし、人は自分で望んでそういう人と出会えるのでしょうか? いいえ、それは、神様のいたずらなのかもしれません。
舞台は、男女の出会いを職業とする結婚相談所。
主人公の水島賢三(岸谷五朗)は、結婚相談所に勤める結婚アドバイザー。
本来なら、人に結婚の素晴らしさを説き、結婚をすすめる、いわば結婚のエキスパートであるべきだが、賢三は違っていた。。。
過去の傷から人生をあきらめ、何をやっても長続きせず、幸せから程遠い35歳、いわゆるダメ男。
北沢葉月(財前直見)は恋愛小説の翻訳家。
恋人たちにささやかれる甘い会話や劇的なラブストーリーを巧みに翻訳すること、つまり"恋愛そのもの"を職業にしているが、自分の事となると、いつも男ににげられてばからのダメな女、33歳。
そんな二人が結婚相談所で出会う。結婚アドバイザーとクライアントとして…。
しかも、賢三の前には、10年ぶりに再会する娘・田代エリ(鈴木杏)まで現れた。
このドラマは、"結婚"や"恋愛"に関わる職業にありながら、自分は幸せから遠ざかっている不器用な男女と、10年ぶりに再会する娘との親子愛が含まれた、笑って泣かせる愛情ドラマです。
幸せというものは、意外と近くにあるかもしれません。
しかしそれを手に入れるには、少なくとも手を延ばすだけの勇気、足を一歩踏み出すだけの勇気が…。

仕事が終わり、タクシーに乗り込む水島賢三。
タクシーを降りようとしたとき、その横で「よせよ、こんなところで」「いきなり分かれようと言われても、納得できない!」と男女の別れ話が聞こえてきた。タイミングが悪くて降りるに降りれなくなった賢三。
「私のどこがいけなかっての。わるいところがあったら直すから…」「そういうところが重いんだよ」と別れ話は続く。
意を決して「あの…降りてもいいですか?」と声をかけた時、相手の女性と目が合った。
それが賢三と北沢葉月の最初の出会いだった。

賢三は、結婚相談所「センチュリーブライダル」の結婚アドバイザー。
今まで色々な仕事についたが、長続きしない。3カ月前、職を探して多くの会社を受けたが、採用されたのはセンチュリーブライダルだけで、仕方なく就職した。
いつも失敗して怒られており、このままだとクビになるかもしれないが、本人はケロっとしている。
自分には向いていないとわかっているのだ。
今日もいつもの飲み屋で店主相手に一人で飲んでいる。「今日、嫌なもん見ちゃって…。
女が男にすがりついてるんだよ」

「ああアンソニー、何も言わないで。私が欲しいのは、めくるめくときめきの熱い時間。…」葉月は海外恋愛小説の翻訳をしている。
フラれた夜にもかかわらず締め切りに追われている葉月。
「むなしくない?…自分の恋愛なんとかしようよ」妹の柊が葉月にみせたのが結婚相談所「センチュリーブライダル」のチラシだった。

しぶしぶ柊に付き添われてセンチュリーブライダルにいく葉月。
「あっ」なんと葉月を担当することになったのは賢三だった。
結婚相談所のシステムを説明する賢三に対して、葉月は懐疑的、自分の無様な様子をみられたこともあるのだが…。
そんな葉月に賢三は試しに理想の条件を聞き、データマッチングしてみる。しかし、うるさい条件を並べ立てたため、相手はゼロ。
「あらら、やっぱりね」「やっぱり?」とケンカをはじめる賢三と葉月。
葉月は、入会せずに怒って帰っていった。

その日の夜、葉月が一人さびしく飲んでいるのを見かけた賢三は、中に入り、今日は言い過ぎたと誤る。
葉月をふった彼が新しい彼女と店の中に入ってきた。
ショックを受ける葉月。
その様子を見た賢三は葉月の彼氏だという芝居をし、葉月を元気づける。

翌日センチュリーブライダルには入会の申し込みに来た葉月の姿があった。
「あっ」センチュリーブライダルから出てきた葉月は一人の少女とぶつかった。
その少女は田代エリ。
彼女の手から小さなオルゴールが転がって落ちた。
落とした拍子に壊れてしまったオルゴールを直す葉月。そのオルゴールは父親からのプレゼントだと言うエリは、その父親を探しに東京に来たのだった。
幼いころ、母親をなくしたエリは長野の祖父母に育てられた。
今まで、母親だけでなく、父親も死んだと聞かされていた。
中学受験の時、たまたま見た戸籍謄本から実の父親・賢三が生きていることを知り、お父さんがどんな人なのか一目見たくて、探しに来たのだという。
父親が祖父母あてに送ってきた手紙の住所を訪ねると、マンションの管理人がセンチュリーブライダルに勤めていると教えてくれたらしい。
葉月は父に会いにいくのに一緒についていってあげることに…。
しかし、エリから渡された父親の住所と名前を書いた紙を見て驚く葉月。
いつものように、飲んで帰ってきた賢三の前に葉月が現れる。
「あなたに会わせたい人がいるの」葉月が目をやった先にはエリがいた。
エリを見てあ然とする賢三。
動揺のあまり何もしゃべれない賢三。 「わたしが生まれたとき、うれしかった?」というエリの問いかけにも答えられない賢三。
エリと賢三の間に無言の間が流れる。
「ごめんなさい」とその沈黙に耐え切れなくなったようにエリが走り出した。
後を追いかける葉月。立ちつくす賢三。